HOME > 用語解説

用語解説

エブラム ホッファー博士
カナダ在住の精神科医。 1950年、医師として精神疾患の治療に関わる。その頃の彼の感想には、『はっきりとした器質性疾患もないのに病気とされている患者が多いことに驚いた』、『心身症理論・精神分析理論は、治療の実践には役に立たないと確信した』記載されている。 医師になる以前は、ビタミンの研究を行う生化学者であったホッファーは、投薬や精神分析に頼っていた当時の治療では、統合失調症を治癒させることは困難と考え、ナイアシンを中心とした分子整合精神医学を確立。その後の治療に多大な影響を与える。 1952年統合失調症にたいするナイアシンの有効性を二重盲検試験で証明 1966年機能性低血糖症と精神疾患の研究を行う。 2005年末まで、カナダのビクトリアにて多くの患者さまの治療に関わる。現在は、この治療法の啓蒙と後進医師の指導を行っている。
低血糖症
1960年代、ホッファー医師を中心に統合失調症、うつ病、神経症などの精神疾患と血糖の調節異常である低血糖症の関係が発表された。ヒトの血糖は、血糖値を下げる働きを持つホルモンであるインスリンと、血糖値を上げる働きをもつアドレナリン、ノルアドレナリン、グルカゴン、副腎皮質ホルモンなどの多くのホルモンとのバランスによって自律神経が調節している。 糖尿病の診断をするために行う2時間の糖負荷検査を、5時間かけて行うことによって低血糖症の診断は行われる。(5時間糖負荷検査)この検査によって、反応性低血糖症、無反応性低血糖症などの病態を診断することができる。この血糖調節の病態は、統合失調症やうつ病、パニック障害などの多くの精神症状を反映することが多く、治療上とても有益な情報を提供することになる。
統合失調症
通常の精神科においては、妄想、幻聴、幻覚などの症状によって診断される疾患。現在では、非定型抗精神病薬の投薬によって治療することが中心になっている。症状の経過によって幾つかのタイプに分類され、基本的には投薬は長期間に及ぶことが多い。 一方、カナダのホッファー医師らは、脳内のノルアドレナリンなどのカテコラミンの代謝産物であるアドレノクロムが、妄想、幻覚、幻聴などの症状の原因であると主張、また低血糖症が多くの精神疾患に関係するなどの分子整合栄養医学を展開。ナイアシン(ビタミンB3)を中心とした栄養療法を行った。この治療は、アメリカのレッサー医師などとともに、アメリカ、カナダで受け入れられ、現在では精神科領域だけでなく広く一般医療の分野においても治療の分野で応用されている。
マイケル レッサー博士
アメリカ在住の精神科医。 統合失調症など多くの精神疾患にたいして分子栄養学的アプローチを行い多くの患者さまの治療を行っている。多くの疾患が栄養欠損によって引き起こされることを、アメリカ議会で証言したこともでも知られている。 現役で分子栄養学的な治療を行っている医師の中では、シンボル的な存在。
カテコラミン
アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質の総称。脳内のカテコラミンの分泌異常が、統合失調症、うつ病、パニック障害などの精神疾患と関係する。脳内のカテコラミンの分泌状況を正確に把握することは、極めて困難である。 通常の血液検査で測定されるカテコラミンは、末梢血液中の濃度であり脳内の神経伝達物質としての分泌量を反映しない。